俺、てっぺん目指す!

15/21
前へ
/88ページ
次へ
明は水際まで走るとゆっくり朝海の隣にしゃがんだ。 「なぁ?おまえは賞のためにピアノ引いてんのか?」 明は朝海の顔を覗き込みながら言った。 「そうゆうわけじゃないけど…。」 朝海は明に泣き顔を見られないように顔をよけながら言った。 「じゃあ、いいじゃん!賞なんかなくたって。おまえはこの俺様を感動させた。それだけで十分じゃん!どうしても賞が欲しけりゃあげるよ。」 明はそう言うと落ちていた貝殻を朝海に渡した。 「はい、『明君を見事に感動させたあなたはとても素晴らしいで賞』。」 「やたら長い名前の賞ね…。それにネーミングセンスが…」 朝海は文句を言いながらも貝殻を受け取った。 「キレイ…。」 顔を夕日で赤く染めながら、貝殻を見つめた。 朝海の横顔に見とれた明の顔も赤くなった。 「明どうしたの?顔真っ赤だよ?」 明はそう言われて、さらに顔が赤くなった。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加