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明は水際まで走るとゆっくり朝海の隣にしゃがんだ。
「なぁ?おまえは賞のためにピアノ引いてんのか?」
明は朝海の顔を覗き込みながら言った。
「そうゆうわけじゃないけど…。」
朝海は明に泣き顔を見られないように顔をよけながら言った。
「じゃあ、いいじゃん!賞なんかなくたって。おまえはこの俺様を感動させた。それだけで十分じゃん!どうしても賞が欲しけりゃあげるよ。」
明はそう言うと落ちていた貝殻を朝海に渡した。
「はい、『明君を見事に感動させたあなたはとても素晴らしいで賞』。」
「やたら長い名前の賞ね…。それにネーミングセンスが…」
朝海は文句を言いながらも貝殻を受け取った。
「キレイ…。」
顔を夕日で赤く染めながら、貝殻を見つめた。
朝海の横顔に見とれた明の顔も赤くなった。
「明どうしたの?顔真っ赤だよ?」
明はそう言われて、さらに顔が赤くなった。
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