11人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ
『ジリリリリリッ!』
狭い部屋に目覚まし時計の音が鳴り響いた。
くだらない一日の始まりの合図だ。
昨日と対して変わらぬ今日。繰り返す毎日。
生きるという事に果たして意味などあるのだろうか?このままずるずると生き、そして死ぬ。
平和バンザイ。
寝る事が長い人生において最大の楽しみだった。だからもう一度寝る。
おやすみ、俺。
「ドンドンドン!」
平和な時間を邪魔する人間の足音がする。母親だった。
「あんた、いつまで寝てるの!早く起きなさい!」奴は部屋のドアを開けると同時に大声で叫んだ。
「やぁ、雅子。今日もキレイだね。イライラは美容の敵だからあんまり怒らない方がいいよ。」
「くだらない事言ってないで早く起きなさい!もう朝海ちゃんが迎えに来てるわよ!」
ふとんを持ち上げベッドから飛び降りた。
部屋のカーテンを開けると朝海がいた。
ゆっくりと窓を開ける。
「明、急いで!遅刻するよ!」
明は急いで着替えて外に出た。
最初のコメントを投稿しよう!