11人が本棚に入れています
本棚に追加
朝海が教室の扉を開けると、クラスメイトの元気な声が聞こえてきた。
「あさみー、おはよー!またあの馬鹿亭主のせいで遅刻ー?」
同じクラスの恵子だ。
「亭主って…明はそんなんじゃないよっ」
「またまたー。でも朝海もよくあんなやつと一緒にいれるよね。そりゃあ顔が良いのはわかるけどさ~ちょっと頭悪すぎじゃない?」
「明にだって良い所の一つや二つ…」
朝海と恵子は明達の方をちらっと見る。
「なぁなぁ、俺イルカを飼おうと思うんだけど名前は何がいいかなぁ?いくらくらいするんかなぁ?」
明が仲良し3人組のひとりの弘に聞いた。
「さぁ~。そもそも明の家って水槽あるの?」
「馬鹿にすんなよ!俺の家にだって水槽の一つや二つあるよ!こないだ金魚のコジロウが死んだから…ダメじゃん、イルカ入んないじゃん!」
「はぁ~。ごめん、ないかも」
朝海が恵子の顔を見てため息をついた。
「あいつの何が良いの?」恵子は朝海に追い打ちをかけるように聞いた。
「な~んかほっとけないんだよね~…」
「おい、おまえら席につけよ~。はい静かに静かに。だから黙れー!」
担任の小林が教室に入ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!