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一日の授業が全て終わっても、明の『進路希望調査書』は真っ白のままだった。
夢って何だ??
「なぁ、授業も終わったしどこか遊びに行かね?」
明は弘と正史を誘った。
「わりぃ、この後塾なんだ。」
弘は申し訳なさそうに答えた。
「何だよ…。正史は…デートだよな?」
「おぅ、わりぃな!おまえも朝海ちゃん誘ってどこかへ行ったら?」
「やだよ、あんなオテンバ娘。まぁいいや、じゃあまた明日な。」
朝海か~…。そだな、朝海でも誘ってみるか。
帰り仕度を始めている朝海に近付く明。
「なぁ朝海、海行かないか?」
「いっ、いいけど。急にどうしたの?」
突然の明からの誘いに少し戸惑う朝海。
「いや、イルカを捕まえに行こうと思うんだけど、一緒にどうだ?」
ニコニコ顔の明をよそに、朝海は呆れた顔をして答えた。
「はいはい、海にイルカをね。いいんじゃない?行こう行こう。」
「何だよ、もっと楽しそうにしろよ。んじゃあ着替えたら俺ん家集合な!」
明は走って帰った。隣の家に住む、朝海を置いて。
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