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朝海が着替え終わり、明の家に着いた。
…が、明の姿が見当たらない。
「あきらー!まだー?」
朝海が玄関に向かって叫んだ。
「おぅ、今行く!」
明が玄関から出てきた。
朝海は明の格好を見てまた呆れた。
短パンにTシャツにビーチサンダルに麦わら帽子に………虫あみ?
「明、ごめんね。一応念のために聞くけど、その虫あみって…」
「おまえすげぇな、よくわかったな。これでイルカを捕まえるんだ。長さは足りるかな?」
「長さの問題じゃないと思うけど……。」
朝海は頭を抱え、もうどうにでもなれ!
心の中でそうつぶやいた。
「よし、行くぞ!乗れ、朝海!イルカを捕まえる旅に、海に向け出発!!」
「ちょっ、ちょっと待ってよ!」
慌てて明の自転車の後ろに飛び乗った。
何年振りだろう…。明の背中をこんなに間近で見るのは。
明は体が小さいためか、昔から自転車を漕ぐのは朝海の役目だった。
明も大きくなったんだね。
日に日に男らしさを増してく明の背中に、ちょっぴり恥ずかしくなった。
明にばれないように、そっと明の背中にもたれかかった。
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