目覚めた浅はかなる愚兄

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サラリと説明しておこうと思う。こんな状況下で、なんで悠々と話しているのか頭を疑うが、とりあえず説明しておこう。 「ンーッ!?」 俺は大学生だ。実家からかなり離れた所にマンションを借りている。いわいる一人暮らし真っ只中な訳だ。 それはもうエンジョイ真っ最中。裸でカズダンスを踊っても、裸でギターを撮影しても、裸で叫んでも怒られない自由を手に入れた訳で。 「ふふふ。痛くしないですから。ほぉら。兄さぁん。暴れないで下さいねえ」 そしてコイツが義妹。親父と喧嘩したらしく、逃げて来たらしい。俺とは同い年だが、若干、半年ほど早生まれな俺が兄貴をやっている。 小学生の時に、俺の母親と妹の父親が再婚。母さんと義父さんは今も仲良しだ。勿論、俺も仲は良い方だし、別に義理だとか考えて接していない。 ただ妹は違う。コイツは義理の妹だ。いや妹ですらない。同い年の他人だ。俺はコイツが大嫌いだった。昔から大嫌いだった。初めて会った日から大嫌いだった。  
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