義妹のペースに嵌まる愚兄。

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地震だ。 雷だ。 火事だ。 親父だ。 何故かまた夢の中で、そんな恐怖の塊とバトルしていた。雷には打たれ、火事で焼かれたが死なない俺は、きっと神様。誰でも神様になれるのが夢。夢の中。 場面が切り替わる。ごそごそと、なにか絹が擦れるような音がして、シュルシュルと縄が天から下りてくる。 実は縄は蛇で、意志を持ったように俺の手足に絡み付いて、ガチガチに締め上げられる。締め縄のようにザラザラな固い感触の蛇にバンザイの格好のまま締め上げられ、息付く暇なく、今度は柔らかい絹のような感触の蛇が唇を舐める。こそばゆい。 良い匂いのする蛇が優しく首筋を愛撫する。牙が首筋に噛み付くとは考えられなかった。だってこの感覚は――  
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