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「アリスだ」
誰かが呟いた
暗闇の中、小さく響いた
「やっと、アリスが戻ってきた」
その言葉に暗闇からは感嘆の声があがる
「アリスっ!アリスが戻ってきた!」
あちらこちらから声が上がる
「五月蝿いなぁー…まだ、喜ぶのは早いでしょう?…ね、白ウサギ」
「アリスは戻ってきた。でも、戻ってない。アリスはアリスでアリスではないから。僕に振らないでよ…チャシャ猫」
「えー?いいじゃないか。ところで、これからどうすんの?すぐにアリスを迎えにいく?ー…ハートの女王様」
「何故、わたくしに聞くのです?ダイヤに聞けばいいのではないですか?」
「わらわか?ここは、王が決めるべ「まだ迎えにいかないよ。まだ、時は満ちてないんだから」
「んー…。白ウサギがそう言うならそうなんだろうね。みんな、時が満ちるまで待とう。時が満ちたら、」
――――迎えにいくからね、アリス
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