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ジリリリリリリガシッバキボキッ!
けたたましい目覚ましの音と小気味の良い破砕音で私は目を覚ました。
七月の下旬、明日からは夏休みという初夏の日、なかなか清々しい目覚めだと自負している。
カーテンを開けると暖かい朝の日差し、澄み渡るスカイブルーの青空。
所々に浮かぶ千切れ雲がアクセントとなっていて窓枠に切り取られた景色はさながら額縁にはめられた絵画のよう。
「目覚まし時計…買い直さなきゃ。」
そんな詩人のような思考に浸ってみても現実は揺るがないわけで。
私は殉職した彼を片付けながら嘆息した。
ところ変わって洗面所。
私は顔を洗うと鏡を覗き、本日二度目となる溜息をついた。
年頃の女が溜息をつく理由は一つしかないと思う。
あくまで私の主観でだが。
友人に小顔だと褒められるし、手入れを怠らない肌も髪もひそかな自慢だ。
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