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時間はこの世の全てのものを薄めていく
悲しさ
嬉しさ
辛さ
楽しさ
いい思い出
嫌な思い出
優しく非情に薄めていく
だからこそ人は幸せを求める
時間に薄められてなお、さらに幸せを濃くしていくために
だからこそ人は苦しみを恐れない
それは薄れ行き消えていくものだから
時間は進み
全てのものは例外なく劣化していく
でも補修をしていけばそれは少しだけ抑えられる
短い人生の間くらいは
そうして
不要なものが消えていく
時々大切なはずのものも消えていってしまう
全てのものが濃いままだったなら
いつか人はなにが起きてもなにも感じなくなってしまうだろう
薄まってゆく過去を抱きしめるよりは
色濃く残る未来を探したい
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