第一章

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まあ、普段はともかくとして、その時は正月ということもありそれなりに賑わってはいたのだが、我が主人が親戚一堂に我が輩を紹介したことによって、子供達の関心を一手に引き受ける羽目になった時には、流石に辟易した。 そんなわけで、到着してから僅か数時間の内に、人間の群れに対して些かな恐怖心を抱いた我が輩は、子供達の関心が一旦薄まった時を見計らって屋敷を抜け出し、ほとぼりが覚めるまで(我が輩の柄ではないが)そこらで散歩でもして時間を潰すことに決めたのであった。
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