万死一生-ヌルいセカイのカタスミにて-

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 私がそいつらに会ったのは、二十代に入って数年経った時に訪れたある村でだった。  正直に言えば、行かなければきっと出会わなかったんだろうと思う。で、多分そっちの方がよかった。  だけれども。  私が行かなければ、少なくとも一人は死んでいた――そう考えると、行ってよかったなぁ、と思う。  もっとも、それに伴って知り合う事になった相手に関しては、まったくもって知り合いたくなかったのだが―― □■□■□  あまり舗装されていない山道を、青いワゴン車が走っていく。一体何人が利用するのかも分からないその道は、夏を目前にして勢いを増した雑草に侵食されており、木が生えていない事でしか道と見分けられない。  ワゴン車を運転する金髪の青年は、慎重に車を走らせながら、ふぅと息をついた。
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