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流れる脈にほっとする。どうやら生きているようだ。ざっと調べたが、外傷は特に見つからない。何故こんなところに倒れているのかは分からないが、保護するべきだろう。
「……ん?」
うっかりスカートの中を覗き込んでしまわないように慎重に抱え上げたところで、第二ボタンまで開いている胸元に目が行った。
別に少女が推定年齢以上に豊満な体を持っていたわけではない。むしろ栄養が足りていないように見える。そうではなくて、胸元に黒い模様があったのだ。
悪いとは思いつつ、シャツを少し開いて模様の全容を確認する。
「……山羊?」
平らな胸の真ん中にあるその小さな模様は、山羊を模しているようだった。
□■□■□
少女を後部座席に乗せてから三十分ほど、町を出た時から数えれば二時間近く、ようやく青年は目的の村に着く事が出来た。
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