第1話

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「ハァ……」 手を離された途端に床に膝をつき息をした。 「え、そんなに?ごめん聖羅……」 慌てた声が上から聞こえる。 「てめっ…聖羅の息止めてたのかよ!」 星弥が今気づいたのか幸人に怒鳴る。 「え?星弥、息止まってたから助けてくれたんじゃないの?」 星弥の発言に耳を疑い聞いた。 「違う。聖羅に俺以外の男が触ってたから。」 ケロッとした様子で話してくる。 「何そのつまんない理由……」 再び膝を落として呆れた。 「つまんないってなんだよ!大事なことだろ!」 ムキになる星弥の相手をする気も起きなくて無視してイスに座ると力なく顔を机に伏せた。 「え?無視?」 すっとんきょうな声が聞こえた。 「星弥と話してると一日分の体力なくなるよ。」
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