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「だって…」
口をパクパクしていると、蒸は笑って言った。
「前の仕事とたいして変わらんし…
出来るやろ?」
(…そうゆう問題じゃ…ない、と思う。)
驚いてポカンと、開けた口がふさがらない俺の横で…
具志は椅子に座りながら、今は保険医らしい蒸さんに聞き返した。
「…前の仕事?」
「和水の前の仕事は…
勘定方や♪」
…蒸は笑って言う。
「なんだ…また 、壬生の連中かよ…。」
…呆れぎみに呟いた具志の横で、俺は肩を落とした。
「スイマセン。」
和水が答えると…
具志は椅子に乗りかかかって うなだれた。
「…お前まで生徒会入ったら、あそこは 巣窟になるな。」
その言葉に、俺は先生の方を見上げた。
「ぇっ…藤夜の他にも?」
「そうやなぁ…。
書記は 、抹尾の双子ちゃんやし…
もう一人の会計は幹夫は…」
「幹…夫…。」
その名前は、聞きたくなかった…。
藤夜だけでも大変なのに…
幹夫は前世では、ライバルにあたる。
無垢な年下のふりをして…
ことごとく、人の恋路の邪魔をする奴だった。
…当然、仲も悪い。
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