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「あいつ…居るの?」
「そうやなぁ…
和水の来る1ヶ月位前やったで?
転校してきはったの。」
蒸さんは、やんわり笑う。
(先を越された…。)
生まれてから、今まで…
ずっと…
探して、探して、探して…
先を越されていた事に、愕然とする。
…意識が薄くなって、なかなか浮上してくれない。
驚いて固まった俺を見て、くすりと笑って…
蒸さんは、話を続けた。
「…昔の仲間で見付かってなかったのは、和水と若先生だけやで…
恵はんも今度和水が来るって、教えたら、めちゃくちゃ 楽しみにしてたでぇ。」
「恵さんが…。本当に?本当に、本当に?って…ぇ…?沖田さんまだ見付かってなかったの?」
俺は、蒸さんを見上げた。
「よし、後ろ向いてな~?
せやなぁ…局長も必死で探しとるんやけどなぁ…。」
俺に後ろを向かせ、蒸は テキパキと聴診器を進める。
「そっかぁ…。」
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