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「ちょっとだけだからな!!
あと、言っとくけど、俺は止めたからな!!巡察中に寄り道しちゃいけないって、止めたからな!!」
平助が手を引かれながら何やら言っている。
まあ、どうせヘタレの言う事だから聞き流してしまえばいいか。
あ。
甘味屋が見えてきた。
「ちょっと鬼春!!」
平助が急に立ち止まった。
甘味屋を前に怖気づいたかっ!?
「なんだよ、ヘタレスケ。」
私は目を細めて平助を睨んだ。
「いや、ヘタレスケじゃねーし!!
そうじゃないんだよ!甘味屋をよーく見てみろって!!」
甘味屋....??
んー。
見覚えのある人影がーーー
ーーー永倉組長?!
「永倉組長?!」
私は思わず叫んだ。
ほらな、と平助が胸を張る。
ったく。
ガキかこいつは。
私は今それどころじゃないんだけど。
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