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「面白いお方なんですね。」
お市さんが手で口元を隠してフフ、といかにも乙女らしい笑方をした。
私には真似できそうにないなあ。
「面白いと言うか、鬼春はおかしいんだよな!!」とかふざけた事を言いながら私の頭をバシバシ叩いているヘタレスケ。
屯所帰ったらすぐに冥界送りにしてやっかんな。
この野郎はどんだけ場の空気が読めないんだ!?
なんなの?馬鹿なの?死ぬの?
と言うか殺すけど。
私は顔を手で伏せたまま立ち上がった。
チラッと永倉組長を見ると、
.....なんかこっち見てる...。
「あれ??お前、背ぇ伸びてねぇか??」
組長は私の頭の上にポン、と手をおいた。
あばっばっばばばっばばっばばっばば
思考停止思考停止思考停止思考停止
「伸びてませぇぇぇっぇえぇっぇ....」
あ
ちょっと思考回路が開通した。
実はですね、組長。
これは皆に威厳を与えるためにですね、
背を高く見せて威厳を与えるためにですね、
ぽっくりを履いているのですよ。
頭の中でいろんな回答例が思いついたが、
結局口にしたのは「ぽっくり。」だけだった。
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