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(強い!本質が、心が強い……!)
剣撃を捌ききれない魔王の身体に傷が増えていく。最初は腕に。足、肘、太股、二の腕、胴、顔……。身体の主要部に向けて、着実に刃が迫っていく。そして――
(ッ!嵌まったァ!)
それは、理想の型。相手を、ただ最後の一閃の下に断ち切るまでの、必殺の剣技。
「ッらああああああああ!」
必殺。
必ず、殺す一閃。その一撃が魔王に襲い掛かった。
(……ああこれは……だから……私はアイツを…………勇者を……)
魔王を斬った一撃が、魔王だけでなく部屋までも巻き込んで断ち切った。
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