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崩壊が始まる。部屋が、城が、全てを巻き込んで瓦礫に変わっていく。
「ハッ。やって……やったぞ……くそったれ……」
床に倒れ、完全に脱力した勇者。魔王の死を確認する余力は残ってないが、感触はあった。
周り、彼を助ける者はいない。元々、この部屋には魔王と勇者の二人しかいなかったのだ。当然のことである。
魔王の死を外の魔物達も感じ取ったのか、動きが鈍り始める。数も減っていき、あとは人間に殲滅されるのを待っているのと、変わらない状態だった。
こうして、戦いは、戦争は終わった。多くの犠牲を出し、最後に誰も知らない、無名の勇者によって。
人間は、平和を勝ち取ったのだった。
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