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チームとしてここを任されている黒服が、必死に宥めようとする。
「こういうことを、あんたたちにほざくとは俺自身が屈辱に感じるんだ」
そう言うと、スーツの内ポケットから細長い茶色の皮の札入れを取り出した。
中から2万円を取り出すと、店員に渡した。
「釣りはいらん」
「も、も、貰い過ぎです」
「適当にオーダーを頼めばいい」
「で、ではボトルを入れましょう?」
「それは、俺にまた来いと言うのか?」
大崎がなかなかここに現れないのに、よく言うなといった目付きで見た。
「連絡先を教えろよ」
マユコに言った。
言われたまま、小さなポシェットから名刺を取り出すと、ボールペンで携帯電話の番号とメールのアドレスを書いた。
「変わったペンの持ち方をするんだな」
「よく言われる」
グーで結んだ手で器用にペンを挟み字を書きながらそう答えた。
「この子に先の渡した金を振り分けておけ」
マユコが渡した名刺を受け取ると席を立った。
店員が、「マユコさんを指名ということでよろしいですか?と少し取りなすように言った。
「ああ。それでいい」
田嶋は、そう言うとバインダーを店員に手渡した。
全てお前に任せたとでも言っているようだった。
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