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「三日前にあなたは死んだの…覚えてる?」
泣く美夏の頭を撫でながら俺は母さんの言葉に頷いた。
「でもね…葬式を始めた日…あなたに白装束を着せようとしたらね…」
母さんは涙を拭き取りながら切れ切れに話した。
「撃たれたはずの…あなたの体には…傷がなかったの…」
どういうことだ?
母さんの言葉で俺は疑問に感じたが、今疲れた…
「今日はとりあえず休もう」
母さんが何かを言いかけたようだったけど、俺は二人を休むように促した。
途切れ途切れだが記憶が少しずつ回復している。
そう…
俺は死んで冥界に行った。
閻魔大王に会って…
どうしたんだっけ?
まぁとりあえず風呂に入るか。
この部屋を出ると左側に玄関、少し進むと左側に階段がある。
二階の左側が俺の部屋、簡単に言えばここの上が俺の部屋だ。
俺はタオルを取りに部屋に向かい、足が重くて上手く階段を上がる事が出来なく、壁にもたれながら階段を上がった。
先に向かった母さんと美夏はもう自分達の部屋へ入っている。
部屋に着いた頃、少し体が思うように動き始めた。
大丈夫だな。
そう思い、タオルを片手にバスルームに向かった。
バスルームはさっきの部屋の前を通り、正面にある。洗面器には鏡があり、そして映されていた俺は化粧を施され、耳に被るくらいの黒髪は綺麗に整えられていた。
まぁいつも通りの髪型に近いだけどな。
笑みを浮かべながら俺は服を脱ぎ、シャワーを浴びた。
水に打たれながら記憶を順々に辿っていく。
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