~虚ろな記憶~

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見渡す限りの草原… ここはどこだ? 意識があやふやだな。 夢…だよな。 「待て!アイザック!」 声と共に現れた二人の男。 一人は白髪のおっさん、もう一人は黒髪のオールバックのおっさん。 白髪の方が追い掛けてるところを見ると黒髪の方がアイザックと言うのか。 「お前さんは一体何をするつもりじゃ?」 白髪のおっさんが言った。 「私に構うな!時間がないのだよ…」 後ろを見ることなくアイザックが答えた途端に、凄い突風が吹き荒れた。 顔を腕で覆った白髪のおっさんが顔を上げた時、アイザックの姿はそこには無かった。 「逃がすわけいかんのう」 そう呟いたおっさんは走り出した。 俺の視界がおっさんを追う。 一体何が起きてるか分からずに、俺はただ身を任せる。 そして視界は次第に一つの建物を捉えた。 洋館のようだな… いや、近くまで来て分かった。 これは洋館じゃない。
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