~蘇る体と記憶~

2/6
前へ
/411ページ
次へ
白くなった視界から俺は目を開き、暗くて寝心地最悪の状態を打開すべく俺は体を起こした。 「いってぇ~」 鈍い音と共に頭に走る痛み、それにより漏れた俺の声。 何なんだよ一体。 頭をぶつけた場所を手探りで俺は触り、感触的には木を触ってる感じ。 手でなぞるとそれは角張っていた。 構造的に考えると四角形の木箱? 途端に嫌な予感が俺の頭をよぎり、此処に眠る前の記憶が鮮明に蘇った。 そう… 俺は死んだんだ。 てことはこれは棺だな。 思わず笑いが零れる状況だが… 俺は死んでない。 手には感触を感じられている。 考えていてもしょうがない、この密封された空間は俺を息苦しさに陥らせ、焦りを感じた俺は必死に棺を叩いた。 おいおい、せっかく生き返ったのにまた死ぬのか? 「出してくれ~!」 俺は叫びながら、ひたすらに棺を叩いたり蹴ったりした。 誰もいないのか? 焦りは最高潮に達し、そしてまた記憶が一つ蘇る。
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加