第六章
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「よくこんなところ知っていたわね」 「ここ、僕が一番好きなところなんだ」 「確かにすごくいい場所よね、静かだし、あ…」 派手な音がして、最初の一発目がはじける。 「始まったか」 「うん」 それ以降、一言も話さず、真剣な表情で花火を見続ける沙紀。今は話し掛けてはいけない、そんな気がする。沙紀から僕へのメッセージは、これに込められているのだから。 そして、最後の花火、今年のテーマが打ち上げられた。
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