第一章

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僕の名前は色名菜奈(いろななな)、『なな』なんて名前だが、立派な男のだ。まあ僕のことなんて今はいい のぼりこと木野堀登(きのぼりのぼり)と、あおいこと翡翠碧(ひすいあおい)を加えた四人組で遊ぶなんてことはよくあるけど、二人でなんて初めてだ。彼女にひそかな恋心を抱いている僕からしたら、とても嬉しく、またドキドキするような誘いだ。 僕は、この恥ずかしい心臓の高鳴りを悟られないように、極めて冷静な口調になるように努めながら言った。 「そういや、二人で遊びに行くなんて初めてだな」 「そうね。まあたまにはいいんじゃないかなって思ってさ。ナナに見せたいものもあるしさ…」 少し恥ずかしそうに言う沙紀。 「見せたい、ねぇ…。何を?」 「まあ…それは明日のお楽しみってことでさ」 ニッと子供のような無邪気な笑顔を見せる。 「と・に・か・く、明日の五時に駅前に来てね」 それだけ言うとさっさと教室を出て帰っていく。 「おい、一緒に帰らないのか?」 「明日も会うんだし、今日は一人で帰る、ダメ?」 やれやれ、相変わらず強引だな…だがそんなところが好きだ。
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