第二章

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「それは普通に考えて、デートのお誘いだと想います」 僕の部屋のベッドに座る、妹の輝来(きら)に、今日のことを話してみたら、きっぱりと言われてしまった。 いいですか、と輝来は続ける。 「女の子が二人で遊びに行こうなんて、好きな人か、気になっている人にしか言わないんですよ。それに、明日の夏祭りっていったら…ああなるほど、そういうことですか」 「輝来!!お前まさか…男をどこかに、さ、誘ったりしたことあるのか!?」 「そんなの、あるわけないじゃないですか。好きな人なんていませんしね」 心から、心から安心する。 「ところで兄さん」 「なんだい、輝来♪」 「明日の花火大会、登さんと二人で行きたいんですが、登さん、明日ご予定ありますか?」 「お前あいつのこと好きなんじゃねーか!!」 しかも、好きな人いないって嘘もつかれた 僕のあのハイテンションな『なんだい♪』を返せ!! 「もちろん冗談ですよ。兄さんは相変わらずシスコンですね」 それに登さんはライクスキーであってラブスキーではありませんしね、と付け足し、クスクス笑う。
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