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1人の生徒が屋上に上がって来た。
背が高く、緩くふわっとしたパーマがかった髪型をしている男子生徒だった。
「こんな所で何をしているのですか」
男子生徒はアスファルトを眺める葵に声を掛けてきた。
「別に……アナタは」
「少し様子を見に」
葵は首を傾げた。
「それより、柵があるとは言え飛び降り自殺…いや、殺人かな。それが発生していたのですから、余りそのような所に居ると誤解を生みますよ」
男子生徒はそう言って葵の隣に立って街を眺めた。
「私も死にたい1人だったらどうしますか」
「まさか、死にたい人間はそんな平然に生きられませんよ」
男子生徒はそう言ってすぐに歩き始めた。
「待って」
それを呼び止める葵
「なに」
「葵です。1年の」
「2年の小林です」
それから男子生徒は屋上から立ち去った。
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