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「でも気が付いていて何も言わないという事は良い人なのかしら……あっ、悪い人ね」
言ってから、笑いだす梨恵は無邪気に面白がっていた。
「わかりません。けど昨日会った時と同じ時間に屋上に行ってみます」
そうね。と梨恵が頷いたタイミングで昼休みの終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
「何か進展があったら教えてくれるかしら」
「わかっています」
梨恵はそう言って葵を送り出した。
「ゲームは終わったのに飽きないわね」
1人残った梨恵は片付けをしながらそう呟いた。
実際に彪兎と葵に出会ってから……彪兎と葵が居るからこそ学校側とのカウンセリングの契約をコレまでの短期間から長期間に無理を言って変えてもらったのだ。
梨恵は単純に楽しんでいるのだ。
「あら」
ふと、ティッシュが残り少ない事に気が付いた梨恵は隣の保健室に向かった。
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