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「―――っ!!」
「―――っ!?」
視線が重なる度に火花を散らす優斗と春奈。
早くも体力の限界が近付いてきたので机に突っ伏していると、ケタケタと笑いながら智也が歩み寄ってくる。
「優ちん、転校生と九条先生相手に楽しそうだな。ここから新たなフラグでも立つんじゃないのか?」
「うっさい、ギャルゲーオタク。こんな状況を楽しんでいられるお前の脳内世界を時々羨ましく感じるよ」
「朝からご苦労様だね。それとさっき先生が優斗くんと春奈さんは職員室に来てって言ってたよ。春奈さんはまだ職員室の場所分からないと思うから一緒に連れてってあげてね」
「この足で死刑執行される場所に行けって事か……」
重い足取りで春奈の所に向かう。
先生からどんな死刑宣告を受けるのか……あの危険人物がどんな命令を下すのか恐ろしくて考えたくもない。
「おい紐パン娘、先生様がお呼びだってさ、職員室まで案内するから行くよ」
「私の名前は春奈よ。紐パン言わないでよね。ほら、さっさと案内しなさい……変態男」
お互いが敵対心剥き出しで噛み付き合いながら職員室に向かう姿を智也と冬香は終始笑顔で見送っていた。
「それで、何の用ですか。先生」
「あんっ!?そんな冷たい瞳で見つめられたら濡れてきてしまうな」
まったく……この人は職務中にバーボンなんか飲んでんじゃないっての。
春奈なんか分からないワードが出てきて頭の上に2、3個くらい?マークが出ているようにも見える。
「で、つまらない冗談は止めてください。用がないなら帰りますよ?」
「まぁまぁ、そう急かすな。どうだ?一杯付き合わないか?」
「お断りします。特に用がないなら帰りますね!?」
「葵、一ノ瀬、お前ら二人を学級委員に任命する。これは命令だ、拒否権の使用は禁ずる」
「「なっ!!!!!」」
春奈の思考もようやく再起動したのは良いのだが、いきなりの学級委員任命(強制)しかも、優斗と春奈で。
「では、早速で悪いんだが青海祭の会議があるから、そっちに出席してくれ。それと葵、会議が終わったら保健室に来い。ちなみに逃げようなどと浅はかな希望は持つなよ。私はお前の場所を常に把握しているからな」
あぁ、俺に残された時間は放課後までしかないようだ。
今の内にやり残した事を終わらせなければならないな。
噂で聞いただけだが、先生の実験体になった生徒は使途と戦う人造人間になるとか……。
「……………」
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