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「お、おそっ…!?」
「アナコンダに、か!!!?」
渚に詰め寄る二人の顔は引き攣っていた‥
「ちがいますよ。あんなもの… 比べものになりません。俺が恐れてるのは‥ とにかく凶暴で… アナコンダに比べたら…っ」
渚の言葉は最後には震えていた。
((一体、なにが潜んでるんだ(ですか)!!!?))
「そういえば、耳栓は?」
ふと、思い出した旭が口に出すと、渚は声を低めて言う
「……この先の部屋に入るときに必要になりますよ」
「………一つ、いいですか?」
「副委員長、何か?」
「……寮は確かに広いですが…… ちょっと広すぎじゃないですか?」
私の記憶に、ジャングルができるほど部屋が広かった覚えはないのですが… と困惑を見せる静に渚は言った。
「それは… 山田が両隣の寮部屋を勝手に改築したんですよ」
「…………何だと!?」
「その、最初は隣の寮にも生徒がいたんですけど、あの日、倉井がヤツに襲われたのを見たお隣は… 寮から逃げたそうです。
で、空いた両隣の寮部屋を勝手に改築、壁に穴を開け… 今ではヤツの城です」
その目は遠くを見つめていた‥‥。
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