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「かなりの問題児じゃないですか!」
「まったくだな‥」
二人は溜め息つく。
「けど、ああ見えて…
彼、博士号取ってるんで理事長も強くは言えないんですよね。」
「……博士号?!」
「えぇ、確か山田の父親が… 考古学の博士なんですよ。その経由で、植物についてのレポートを父に言われて発表したみたいです。
結果、研究が素晴らしいと褒めちぎられ、見事博士号を取ったんですよ。あ、もちろん外国でですけど‥」
「山田という奴が… ほぅ」
「しかし、山田本人は恐らく知らないと思いますよ?自分が植物に関しての博士号を取っていることなど…
何せ、あの山田ですからね。基本、植物以外は関心を持ちませんから」
「……それにしても、ずいぶん詳しいんだな」
ピクッ!
旭の言葉に渚が反応した。
「確かに…。渚、あなたの同室者の恋人で、その同室者である山田、たった一度きりの割には随分と詳しいですね」
「………………」
二人の問い詰めるような視線に、渚はついに白状した。
「…はぁ、しかたありませんね。
えぇそうです。俺は山田の幼なじみなんですよ」
話したくなかったとばかりに渚は盛大に溜め息ついた‥。
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