そこは‥ ジャングル。

10/13
3464人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
「…ついでに言えば、山田は極力面倒くさがりやなんです」 「面倒くさがりや、ですか」 「山田は、起きるのも食べるのも面倒に感じて、自分じゃ、まともな食事を摂らないんです」 「「……………」」 「(ふぅ…)……この意味がわかりますか?」 「山田は… 動物で例えるなら、ナマケモノです。動くのが面倒で、部屋から外に出ようとしないんですよ。所謂、引きこもりなんです。 親父さんが山田をこの学園に入れたのもその理由の一つです。動くのも面倒な山田は常に部屋でごろごろ… お腹が空いても起きるのが面倒で、周りには菓子パンを置き、お腹空いたら、くわえながらごろごろ…。常に部屋はデカイボリュームで音楽をステレオで掛けながら、手に持つのはゲーム‥。唯一、山田が身体を起こし部屋を出るのはトイレか、植物の水やりのときくらいですよ」 渚の言葉に、二人は口をあんぐり‥ 「ひ、引きこもりだと!?」 「菓子パン!!?」 「えぇ、酷いときはお菓子を食べてますよ。……ですから、三日に一度は山田の部屋に食堂から調達した食事を持って行ってるんですけど、 ああ見えて、けっこう好き嫌いが多くて困ってるんですよ。ホント、どうにかなりませんかね‥」 疲れた表情を見せ、溜め息つく渚に二人は顔を見合わせた。 .
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!