290人が本棚に入れています
本棚に追加
[今日は体力測定をしました。コウちゃんの筋力、去年とは桁違いにアップしてました。]
[三年生が来てくれたので、新旧のレギュラーで紅白戦しました。コウちゃんの満塁ホームランに拍手喝采でした。]
毎日の様に、アカリからの野球部日報が
メールで届いた。
------ このまま辞めたりしませんよね?
アカリは俺と野球部を、メール報告でつなぎ止めているつもりなのだろう。
俺自身、まだ繋がってる気にさせられてるのは、アカリの思惑通りだと言える。
繋がった気になってるのはメールだけじゃなくて、今だ【退部届け】を提出出来ずにいる俺の悪あがきもあるのだろうが。
悪あがき……か……
自分で言って妙に頷いてしまう。
もう三週間も部に顔を出していない俺に
声をかけて来る奴なんていなかった。
監督や顧問すら『どうした?』の一言もない。
エース不在の紅白戦だって笑える。
いや、笑えないか……
エースはもう居るのかもな。
エースが俺じゃなきゃいけないなんて定理は、初めから存在しないんだから。
『早く戻って来いよ。』
『お前がいなきゃ始まんねぇよ。』
そんな言葉なんて期待してないつもりでいたのに、この虚しさは何だろう?
俺ってこんなに繊細だったっけ?
んな訳ないよな?
繊細な奴が、試合中に仲間のミスを罵れる訳が無いもんな。
俺が失ったものは野球人生……
それだけだったのだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!