Phase 00 Prologue

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「・・・・・・知らない。 私は牧元とは何の関係も無いんだ。 だから早くここから出し・・・」 伊藤泰蔵がいい終わらない内に、女がナイフの切っ先を伊藤泰蔵の首筋に当てていた。 「DR・W・・・この名前の意味は解るわよね?」 女の言葉で伊藤泰蔵の表情が蒼白へと変わった。 「何故・・・その名前を・・・?」 「そんな事はどうでもいい。 これが最後の質問、三秒以内に牧元の居場所を答えなさい・・・ 生きて家族の元へ帰りたかったら」 「3」 「待て・・・止めるんだ」 「2」 「ぐうぅッ」 「1」 「解った、言う・・・言うから助けてくれ」 「・・・嘘は付かない方がいいわ。 あなたが今から答える場所に牧元が居ない場合は、あなたは死ぬ事になる・・・ あなただけじゃ無く、家族も年若い愛人も一緒にね」 相変わらず自分を見つめる感情の無い目は、きっかけがあれば自分を殺す事を躊躇わ無いだろう。 DR・Wに関わる事は、未来に繋がる事だという思いに一辺の曇りも無かったが、まずは今の状況を打破する事が先決だった。 牧元には悪いが、事態は牧元が居なくても進む段階に来ているのだ。
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