欲望と習慣

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  職場の近くにある古本屋で本を買うのが好きだ。 小さい頃から読書が好きで、よく市立の図書館に行ってはたくさんの本を借りては読み耽ったものだ。 でも、今は違う。 通勤や帰宅の電車内では仕事疲れで眠ってしまうし、家に帰ってからも一人暮らしの私は軽く食事を作って風呂を済ませたらあとは寝るのみ。 読む暇なんて、ありはしないのだ。 (なら何故、本をこんなに買ってしまうのか) 私はズッシリと重い袋を手に、古本屋を出た。 連続勤務明けの、昼の事だった。  
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