1人が本棚に入れています
本棚に追加
「は?うちの大学の文化祭で?まじで?あはははは」
見てるこっちが可笑しくなるくらい、沙耶は笑いが止まらなくなっている。
「あ、麻里恵ー!おはよう。」
遠くから呼ばれているのに気付いて声の方に顔を向けると、仲のいい菜美がこっちに近づいてきた。すぐ後ろに佳奈もいる。どうやら二人も人だかりの中にいたらしい。
「おはよう。ねぇ初めてじゃない?うちでミスコンなんて。」
「だよね。誰が出るんだろうー」
菜美はかなりウキウキしている。
「出たらー?麻里恵。彼氏が喜ぶかもよ?」
沙耶がいやらしい声で言いながら顔を寄せてくる。
「何言ってんの」
「だって綺麗になって優勝なんてしたらねぇ~」
「ねぇ~」と佳奈も真似て笑う。またいつものからかいだ。
「うるさいなぁ、ないない!ほらもう行こう!」
麻里恵は3人の背中を順に押して歩き出す。
沙耶たちのからかいを否定しながらも、麻里恵は早く勇也の顔を見たい思いだった。
最初のコメントを投稿しよう!