懐疑の芽吹き

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穂波の指先を見ると、 三面の右下端の隅っこの方に、小さく、 「第一次全国武装戦線誘発法!?」 と書いてあった、 驚いては見たが何のことかはさっぱり検討も付かなかった。 梨華も同じだったらしく、 「よくこんな隅々まで読んでるね。」 とへんな事を突っ込んでいる。 しばしの沈黙の後、 「俺、分かるよ」 アッシュが軽く言い放った "えっ" 三人は一斉にアッシュの方を見た! アッシュは続けて、 「この法律は16年前、ゆとり教育やいじめ問題、モンスターペアレントなど、 教育界が抱える問題を一掃し、 子供に自立心を芽生えさせるために発案された法律なんだけど、 内容が余りに過激だったのと、 当時の議員が教育界にはそこまでの危機感を感じていなかったため、 無論衆議院では否決され、 議案が提出されたことすら公には発表されなかったんだ。 俺はそういう世の中の裏側に興味があるからたまたま知ってたんだけどさ。」 「それが施行されたってことは、 なんかよくわかんないけど、 相当まずくねぇか?」 「過激な内容って、アッシュはどんなだったか知ってるの?」 穂波がそう聞くと、 アッシュは一度だけ首を縦に振った。
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