味覚の共有

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とあるファミレス。銀時は土方に呼び出されてやって来た。 「まあた仕事抜け出して来たのかぁ?…ったくそのうちクビになるぞ。」 土方の正面の席に腰掛けながら銀時が言う。土方がクッと笑う。 「違いねぇ。」 そう言って煙草を一息吸う。 銀時が怪訝そうに土方を見る。そしてため息。 「お前んとこのゴリラは何やってんだ。おーいゴリラー。部下がこんな所でサボってますよー!」 銀時が茶化すように言う。 「いいんだよ。近藤さんも承知の上だ。」 「はあ?大丈夫かぁ?お前んとこの職場。職務怠慢じゃあねぇか。こんな連中にこの江戸守れんのかよ。」 銀時が頬杖をつきながら言う。土方は特に表情は変えずに銀時を見つめて言った。 「…近藤さんがな。俺達警察はいつ何時何があるか分からねぇから大事な奴には会たい時に会っとけとさ。」 「…ふーん。あのゴリラがねぇ。」そう言ってる内にチョコレートパフェが運ばれてきた。銀時の前に置かれる。銀時が不思議そうに土方を見る。 「…どうせお前はそれだろ?先に頼んどいたぜ。」 そう言って煙草の煙を吐いた。土方の前にはコーヒーが置かれる。「…食えよ。遠慮すんな。俺が奢る。」 銀時はパフェと土方を交互に見ていたがやがてスプーンを取り一口食べた。 「それにしても…毎回よく飽きねえな。」 土方が呆れたように言った。銀時が食べながら答える。 「…っせぇなあ。人間には糖分摂取が必要なんだよ!」 ビシッとスプーンを土方に突き付ける。 「……お前の場合は明らかに取りすぎだと思うがな。」 土方が醒めた表情で言う。銀時は特に気にする様子もなく食べ続けた。そんな銀時を優しい表情でじっと見つめる土方。 そんな土方の視線に銀時が気付いた。 「…何?何見てんだよ?」 顔をしかめる銀時。 「ああ?…気にすんな。」 「気になるわあぁぁぁ!!」 土方がコーヒーカップを手に取って一口飲んだ後、銀時を見た。 「いや。美味そうに食うなと思って見てた。」 銀時が訝しげに見る。 「美味そうって…まあ実際美味いけどな。…お前は甘い物駄目なんだろ?」 土方が煙草を灰皿に押し付けた。そして銀時のスプーンを持っている手首を掴んだ。 スプーンにはチョコ掛けの生クリームが乗っていた。土方は銀時の手首を自分に向けスプーンに乗った生クリームを口に入れた。銀時がギョッとする。刹那、土方が咳き込んだ。
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