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パフェを食べながら言う銀時。
「…そうだな。」
本当は銀時が気になって映画の内容はほとんど覚えていなかったのだが。
コーヒーを一口飲んだ後、土方は一番気掛かりだった質問を銀時に投げ掛けた。
「…なぁ…何故俺を誘った?」
土方の問いに対し銀時の答えはあっさりしたものだった。
「ん?たまたまだよ…。お前に会ってなかったら別の奴誘ったか、誰かに譲ってたし。」
土方がため息をつく。
「…ま、んなことだろうとは思ったけどな。」
煙草を取出し火を点ける。
「…何?何か別の理由期待してたとか?」
土方がむせる。
「おいおい…大丈夫か?つか俺何か変なこと聞いたか?」
特に深い意味は無かったらしい。「…何でもねぇよ…。」
その時土方の携帯が鳴った。
「…俺だ…ああ…わかった。」
携帯を切る。
「…呼び出しか?せっかくの休みでも役人は大変だな。」
伝票を手に立ち去ろうとした土方だがふと立ち止まり銀時に振り返る。
「…次は俺の方から誘っていいか…?」
土方の言葉にびっくりする銀時。が、ニヤリと笑って…。
「…いいぜ?お前の奢りならな。」
土方が去った後、銀時は残りのパフェを頬張る。
「…土方か…変な奴。…けど興味はあるな。」
この日を境に銀時の土方に対する感情が別のものに変わろうとしていた…。
(おわり)
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