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銀時は腕を引かれたまま路地裏まで連れてこられた。
「…何なんだよ?こんなとこに連れてきて…。」
「………」
だが土方は黙り込んでいる。
銀時がため息をつく。
「あ~あ…ぜってぇ俺が何かしてお前にしょっぴかれたと思われたよ…これで悪い噂流れて仕事来なくなったらどーしてくれんですかコノヤロー!!」
言いながら掴まれてた腕を振り解こうとする。が、がっちり掴まれてビクともしない。
「…とりあえず腕離してくんないかぁ?」
言われて土方がパッと離すと銀時に背を向ける。
「…随分と楽しそうだったな。」
なるべく平静を装い言う。
「はい?」
銀時が首を傾げる。
「さっきの連中とだよ!」
思わず声を荒げてしまう土方。
たが銀時は特に気にした様子もなく…。
「…いつもあんな感じなのか?他のやつらともよ…。」
銀時の顔を見ないで言う。
「あんな感じって…どんな感じだよ?」
銀時が怪訝そうに聞く。
「…だから…楽しそうに話したり…笑ったり…それに……肩まで抱かれやがって…!」
銀時がキョトンとしたが、直後笑いだす。
「ちょ、何?お前まさか妬いてんのかぁ?」
ヒィヒィとお腹を抱えて笑う。
「そ、それにあれ位のスキンシップなんざ日常茶飯事だぜ?話がエキサイトした時とかよお…。」
その言葉に土方の顔色が変わる。
「日常茶飯事だと…?」
ガッと銀時の肩を掴む。
「お前は…しょっちゅう触らせてんのか…?他の奴らに…!」
ギリッと銀時の肩を掴んだ手に力を込める。
「うわ…その言い方なんか卑猥なんですけどっっ!」
銀時が茶化すように言う。が、土方は目を見開き顔を引きつらせている。
「おいおい…怖いんだけど…瞳孔開いてるよこの人。」
銀時がため息をつく。
「心配しなくても…俺なんかにいやらしい感じで触ってくる奴ぁお前ぐれぇしか居ねぇって。」
そう言い、土方の肩をポン。
「いやらしい感じって何だコラぁぁぁ!!」
銀時がまたお腹を抱えて笑いだした。土方が舌打ちをし…。
「…それだけじゃねぇ…あんな…楽しそうな顔…俺には見せねぇじゃねーか…。」
土方が背を向ける。銀時は困ったように笑う。
「…そうかぁ?別に普通に話してただけだぜ?」
「………」
黙り込む土方に銀時がため息。
「…つーかさ…んなくだらねぇことでわざわざ俺を連れ出したのかよ?」
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