バカ王子とツンデレ姫

4/6

243人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
「…座ってんだから足は関係ねぇだろ。」 銀時がぐっとなる。 「う…あ、そうだ…さっき甘いモン食ったから…止めた方が…。」ジリジリと土方から離れようとするが土方は尚も顔を近付ける。 「…口ン中甘いのはいつものことだろ…今更だ、気にしねぇよ。」 カアッと銀時が赤くなる。 「…嫌なのか?」 土方が真剣な目で聞いてくる。 「…嫌だっつってもすんだろ…。」銀時が目を逸らす。 「………」 スッと銀時を離すと少し離れて座り正面を向いて煙草を取り出す。 「…しねぇのか?」 銀時が不思議そうに土方を見る。煙草に火を点けると一息吸って煙を吐き出す土方。 「…嫌なんだろ?」 正面を向いたまま表情を変えず言う土方。銀時が苦笑する。 「…何だよ…いつものお前なら俺が嫌がろうが強引にしてくんだろ…?」 土方がチラッと銀時を見る。 「…本当に嫌みてぇだから…止めたんだよ…。」 はぁ…と煙を吐き出すと同時にため息。 「…別に嫌じゃ…。」 小さい声で言うが土方には聞こえていないようだ。 暫しの沈黙。 「………」 「………」 お互い無言のまま数分経つ。 「……だぁ~~~!!もうこの沈黙耐えられねぇ!!」 頭を掻きむしり銀時が絶叫する。そして足を捻挫してることも忘れてバッと立ち上がる。 「…いっ…!」 ズキッと右足に激痛が走りグラッとよろける。 「…馬鹿…!何やってんだ…!」 咄嗟に立ち上がると銀時を支える土方。 「…つぅ…はは…捻挫してたの忘れてたわ…。」 土方に寄りかかり苦笑する銀時。「…ったく…気をつけろよ?」 土方が呆れるが優しく笑う。 「………」 銀時が土方を見つめてくる。 「…どうした?」 銀時が赤くなると土方の胸に顔を埋める。 「…銀時?足、痛むのか…?」 土方が心配そうに銀時の肩に手を置く。 「……鈍感…!」 ボソッと言うと顔を上げて目を閉じる。 「……!」 土方が硬直する。 「…でもお前…このまんまだと…足が…。」 銀時が片目だけを薄く開ける。 「…支えてくれんだろ?」 そう言うと再び目を閉じる。 土方がフッと笑うと銀時の腰に手を回す。そして顔を近付け唇を重ねる。最初は触れるだけで離し次は角度を替え深く口付ける。 「…ん…土方…もっと…!」 答えるように激しく口付ける。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

243人が本棚に入れています
本棚に追加