バカ王子とツンデレ姫

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足に負担が掛からないようにしっかり支えながらも唇は離さない。銀時は土方に震えながらもしがみ付く。 長い長い口付けの後、土方にもたれるように抱き付く銀時。 「…座るか?」 腕の中で頭を振る。 「…ううん…もう暫く…このままで…。」 土方が答える替わりに強く抱き締める。 「今日はやけに素直だな…ケガのせいか?」 ククッと笑いながら髪を優しく撫でる。 「…うるせぇよ…嫌なら離せよ。」悪態をつく銀時に土方が苦笑い。「離すわけないだろ…。」 そう言って頬に優しくキス。銀時が真っ赤になり顔を伏せる。 暫く抱き合う二人。 「湿布貼り直すか。」 銀時を離すと抱き上げる。 「わっ…おい…!?」 土方の首にしがみ付く。 「すぐそこだからいいって…!」 だが土方はわざわざ反対側のソファーに移動してから銀時を降ろすと座らせる。 「さぁ姫、足をこちらに。」 足元に座り銀時を見上げる。 「ばっ…!姫って…!」 銀時が真っ赤になる。土方がフッと笑う。 「いいから…足見せろ。」 銀時が渋々右足を出す。土方が包帯を解くと湿布を剥がす。 「…少し腫れてんな。」 そっと腫れてる患部に触れる。 「…あんま触んなよ…。」 銀時が痛むのか顔を歪ませる。 土方は暫く患部を眺めた後、赤く腫れた部分にそっと口付ける。 「…っ…!ちょ…何して…!」 その行動に驚き土方を見る。土方は銀時を見上げると微笑み再び足に口付ける。 「…やっ…やめ…!」 土方の唇が足に触れる度にビクッと身体を震わせる銀時。 「…頼む…から…あっ…!」 だが土方は傷付いた銀時の足に何度も何度もキスを落とした。 「…ひ、土方ぁ…ダメ…!」 銀時が顔を手で覆ってふるふると首を振る。土方がそれを見てフッと微笑み…。 「…仕方ねぇな…じゃあこれで終わりだ。」 そう言って最後に患部に強く吸い付く。 「…ひゃっ…!」 ビクンと銀時が身体を震わせる。土方は新しい湿布を患部に貼りつけた後包帯を巻く。 「…よし…出来たぞ。」 銀時がソファーに倒れ込む。 「お前…なんのプレイだよ…。」 ぐったりとうつ伏せになる銀時。土方が頭を撫でると銀時がビクッと身体を強ばらせる。 「…悪かった…もぅしねぇから。」銀時は顔をソファーに押し付けたまま沈黙。土方がため息をつくと立ち上がる。 「…やっぱ俺…居ない方がいいな…お前を困らせるだけだ…。」
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