告白

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その日、土方は銀時をとある公園に呼び出した。そして…。 「え?今何て言った?」 銀時が聞き返す。土方が咳払いを一回した後、改めて銀時に向き直りその目を見て言った。 「…だからっ……お前が…好きだって…」 「………?」 銀時がキョトンとした表情で土方を見ている。 暫しの沈黙。銀時が頭を掻きながら怪訝な表情で言う。 「えー…っと。何ソレ?新手の嫌がらせ?」 「違うわあぁぁぁ!!」 銀時が首を傾げる。 「え、違う?じゃあ何?何かの陰謀?罰ゲーム?それとも…。」 「…だからっ…!」 ガシッと銀時の両肩を掴む。 「お前が好きだって言ってんだろがあぁぁぁ!!」 公園中に聞こえる程の大声で土方が叫ぶ。何事かと周りにいた人達が振り返る。 「ばっ…お前、ちょっと来い!」 銀時は慌てて土方の腕を掴んで町中の路地裏まで走った。 暫く二人とも呼吸が整うまで数分掛かった。 「…ったく。何考えてんだよ!あんな大声で…!」 銀時が呆れたように言う。 「…お前が信じないからだろ。」 「………」 そう言って土方は銀時に背を向けた。 「…マジで?」 その背中に向かって銀時が言う。「……あ?」 土方が顔だけを銀時に向ける。 「俺が好きってやつ。」 「……ああ。マジだ。」 土方が銀時に向き直り真剣な眼差しで見つめて言った。 暫く銀時が顎に手を当てて考え込む。そしてポンと手を叩いてから土方を指差した。 「やっぱどう考えてもおかしい!ぜってぇ嫌がらせだろ!?」 それを聞いた土方は頭を抱えてため息を付いた。そして次の瞬間、銀時の腕を掴んで引き寄せそのまま抱き締めた。 「………!」 突然のことに銀時は驚いたが特に抵抗はしなかった。暫く抱き合ったままの二人。銀時が苦笑して呟いた。 「……何か、野郎に抱き締められるって…変な感じだよな。」 その言葉に土方がはっとする。 「…悪ぃ。嫌だったか?」 そう言って腕を解こうとした土方の背中にそっと銀時が腕を回す。ドキンと土方の心臓が高鳴った。「……いや…結構悪くねぇ。」 そう言って回した腕に力を込め、土方に抱きつく。 土方も戸惑いながらも再び銀時を抱き締めた。 「銀…時…。」 「………!」 囁くような声で土方が銀時の名前を呼んだ。暫くして土方はそっと銀時の身体を離した。 暫くお互い見つめ合っていたが銀時がすっと目を閉じる。その行動に土方が赤くなって後退る。
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