告白

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「な、な、何の真似だてめぇ!」 怒り口調だか明らかに動揺を隠せない土方。銀時が目を開けニヤリと笑う。 「ええ?普通はここでチューだろ?」 土方が真っ赤になって首を千切れんばかりに横に振る。 「い、いやいやいや。まだ付き合ってもねぇだろ俺達。」 「じゃあ付き合おうぜ。」 間髪入れず銀時が言った。 「え、…ええーっ?!」 土方が驚きの声を上げる。 「何驚いてんだよ?そのつもりだったんだろ?」 銀時がそう言って顔をしかめる。「そ、うだが…けど……」 土方が言い淀んでいると銀時が更に顔をしかめた。 「何だよ?あ、やっぱ罰ゲー…」 「違うつってんだろがあぁぁ!」 間髪入れず土方が叫ぶ。 銀時がため息を付く。 「何なんだよお前。訳分かんねぇよ。はっきりしろや。俺と付き合いたくねぇのかー?」 「………きあいてぇ。」 ボソッと土方が言う。銀時が土方の顔を覗き込む。 「ああ?聞こえねぇよ!!」 次の瞬間、土方は銀時を抱き締めていた。 「…付き合って欲しい。銀時。」 そう言って強く抱き締めた。 「はじめからそう言えっつーんだよ…。」 銀時が不機嫌そうに言う。だか顔は笑っていた。 「…名前。」 暫くして銀時が言う。 「…お前が俺の名前呼んだの初めてだな。」 それに対し、土方が照れ臭そうに答える。 「そう…だったか?」 「そうだぜぇ。いつもはお前だのてめぇだの万事屋だの…。全部名前じゃねぇから。」 銀時のその言葉に土方が思わず苦笑する。 「俺に銀時って、そう呼ばれるの…嫌か?」 土方がそっと銀時の身体を引き離した。そして銀時の目をじっと見つめる。 「いや…お前だったら…いい。」 そう言って銀時は顔を赤らめ下を向く。そんな銀時を土方は改めて愛しいと感じた。そして再び抱き締めて銀時の耳元で囁く。 「俺…大事にするから。お前のこと…!」 その台詞に銀時は土方の腕の中で小さく頷いた。     「こうして二人は付き合うようになったのであった。」 銀時が言う。 「…ああ?誰に言ってんだ?」 土方が顔をしかめる。 「いやいや。ちょっとお前に告白された時のこと思い出してた。」ここは万事屋事務所。土方はオフで銀時の元を訪れていた。 「…くだらねぇ。」 そう言ってソファーに腰掛ける。土方の態度にムッとなる銀時。
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