243人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
「何だよ?あ、ひょっとして…照れてる?」
そう言って土方の隣に座る。
「…うるせぇよ。」
そう言って銀時の肩を抱き寄せた後、顔を近付ける。
「…ちょっ…いきなりかよ…!」
銀時は土方から離れようとしたがグイッと腰に手を回され動きを封じられる。それでも尚顔を逸らして抵抗しようとする銀時に土方が言う。
「…嫌か?」
「……!」
土方がじっと銀時を見つめる。銀時がカアッと赤くなる。
(こいつ…ぜってぇわざとだ。俺が断らないの分かっててやってやがるよ)
「…銀時?」
暫く黙ったままの銀時の顔を覗き込む。それに対して目を逸らす銀時。そして、小さく言った。
「……ヤだ。」
そう言って顔を逸らす。だが土方が銀時の頬に手を当て自分に向かせた。銀時が土方の手を退かそうとする。
「ちょっ…嫌だって言ってんだろがあぁぁ!」
「俺はしてぇ。」
土方のその言葉にピタッと銀時の動きが止まる。
「…だかお前が本当に嫌ならしねぇよ。」
(ああ、本当にこいつは…!)
銀時が土方の方を見る。真っ直ぐ見つめてくる土方の視線。
(あの時のこいつは可愛かったよな…。腕組んだだけでも赤くなって…それが今は…!)
はぁーとため息を付く銀時。
「…?銀時…どうした?」
土方の問に首を振る。
「…っんでもねぇよ!」
そう言ってから土方を見た後、そっと目を閉じる。土方はそんな銀時に優しく口付けた。
何度か口付けた後強く抱き締められた。土方の腕の中で銀時はふと思った。
(…いつの間にかこいつに主導権握られてるよな)
そう考えると少し腹立たしいと感じた銀時だったが土方に優しく髪を撫でられ…。
(……まぁ、それも悪くねぇ)
そう思いながら土方の腕の中でそっと目を閉じた。
(おわり)
最初のコメントを投稿しよう!