隣の子猫

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教室のドアに席順が書いてある。俺は自分の席がどこか確かめる。  ・・・あった。窓際の一番後ろか。普通名前順とかじゃないのか?まぁ、いっか。 自分の席が窓際の一番後ろでラッキーと思いながらドアを開ける。結構な生徒が教室の中にもう入っていた。  みんな早いんだな。 そう思いつつ、俺は自分の席へと向かう。机の横に鞄を掛け、席に座る。  あぁ、もう無理。苦しい。 ネクタイを取り、ブレザーのボタンを全部開け、Yシャツのボタンも開ける。  あぁ、楽だな。 開放された感じになった俺は、机に身を任せ寝る態勢に入った。  入学式始まる時、先生起こしてくれるだろ・・・ 「今日から高校生か~!」 「そうだね」 隣から女子の声が聞こえる。俺は正面に向かせてる顔を窓側へと向ける。隣の女子の話声はまだ聞こえる。嫌でも耳に入ってくるな。 「そういえば、『梓』ちゃんは部活どこにするの?」 「えぇっと、どこにしようかな~」  梓・・・か・・・ 俺は寝た態勢からポケットから携帯を取り出し開く。誰にも画面を見られないように机の下へと携帯を持ってく。 携帯の画面には長い黒髪の小さな女の子が写っていた。  ・・・元気か・・・梓・・・。聞こえないか。 俺は携帯をすぐポケットにしまい、夢の中へと入っていった。
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