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「うわぁぁぁ」
何も無い僕は空間を浮遊しているような感覚だった。そして空間を抜け
出すと、光に包まれ空間が歪んで見えた。目的地に着いたようだった。
しかし。そこに足場は無かった。
ドスン!
「いててて」
2mくらい高いところからおちて、尻餅をついた。見渡すと今では古くなった
SF研究部の部室もまだ新しい。
「すげぇ成功だ!」と喜んでいたそのときに急に後ろから声をかけられた。
「あのぉ?君は誰だ?」
「えぇぇ!あははは…すいません…教室間違えちゃった…」
後ろから声かけられた、女性とにびっくりして、思わずとぼけたが、声に聞き覚えがあった
「間違えるも何も、天井から体光らせて降ってきて、何言ってるの?」
振り向いて相手を見ると、先生にそっくりだった。ただ違うのは髪形、高い位置でポニーテールに
していて制服を着ている。若干今よりも背が低いかもしれない。
「えっあっ…その…ハハハ」もう何を言っていいかわからないくらい混乱した。
「もしかしてあなたは?宇宙人?」
「えっ?」
「でも、宇宙人にしては、人間ぽいな…」目の前に光って振ってくる男が現れたのに動じないあたり
まさに先生と一緒だ。しかし先生は28歳…(だったはず)…17年前に来たとすると11歳のはずなのに
それにここの制服着てるなんて…
「あの…明らかに、僕不審者なんですけど…びっくりとかしないんですか?」
「うん…不思議なこと大好きだから。ここはSF研究部よ…私一人しかいないけど」
「はぁ~」彼女は近づいてきて、僕の着ているタイムマシンレーシングースーツをじろじろ見ている。
「これって?もしかしてタイムマシーン?腕の時計で時間セットして?」
急に僕の左腕をつかみ、時計を観察している。察しの通り、移動時間をセットしているのは、
この腕時計だ。
「ハハハ、そんなことあるわけ無いでしょ?…では、失礼します。」
時代には影響を及ぼしてはいけない…と思いこの場を去ろうとしたが、
「いいの?ここ出て行って?そんな格好で?私が今ここで叫んだら不審者でつかまっちゃって
私以外の人にも見つかっちゃうわよ。それに、放課後とは言っても、まだ沢山生徒が残ってるし
ここに残ってるのが得策だと思うけど…ね?未来人君」
まったく動じなく、むしろSF研究部だけあって、タイムマシーンの存在を疑わない、彼女の策に
乗るのが一番である。どうせ後は帰るだけだし…そう思っていた。
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