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異様な臭気に満たされた部屋
そこで“儀式”は行われていた
打ち放しのコンクリートの壁には
コケともカビとも付かない何かが生えて緑色に染まっている
灯篭の灯りで照らし出された脂汗をたらすメタボの中年男性は、
何やらブツブツと独り言を呟いていた
その出っ張った腹と、
どこからか解らないほど短い足、
似合わない緑色のキレイなスーツにその身を包んでる
その玉虫のような男の顔は驚喜に歪む
部屋の中央に座りこむ、1人の少女がいた
彼女の周りには
数分まで人間だった、何かが散らばり
血の海が広がっていた
目は見開き、
光が無かった
ただ、真っ赤に染まった手を見つめながら
『成功だ』
部屋の隅にいた、玉虫が呟いた
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