第1話

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由宇は新しく注がれた水を口に含む カラカラに乾いた舌に、 冷たい水がジュワっと染み込んでいった 『…また…あの夢見たの…』 コップの中の水面が揺れる あの雨の日、 彼女はある監獄とも研究所ともとれない施設から脱走した、 そして血だらけの由宇とセイジは出会った 彼女から流れる血は、 雨のシャワーで少しずつ横の側溝に流れていった 暫くして、 その血は彼女のものでは無いことが判明した 洗い流された彼女の肌は、 透き通るように白く、 外傷がほとんどなかったからだ
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